たまにはゲーム系記事も書くぞ!ということで今回は隻狼〜SHADOWS DIE TWICE〜について。
実は俺、このゲーム発売してすぐに購入したんだけど、2年近く積みゲーしてました。「仕事で疲れて帰ってきた後に、何でわざわざ難しすぎるマゾゲーやんなきゃいけないんだよ!」というのが一番の理由。
この記事は「隻狼って難しくて理不尽な死にゲーなんでしょ?」とか「アクションゲームは好きだけど、隻狼は敷居が高くてやってない」とかって人に是非読んでもらいたい。なぜなら隻狼は理不尽さはほとんどないし、これでもかってぐらい攻略のヒントが散りばめられている、良質なアクションアドベンチャーゲームだから。そう、ちゃんとアドベンチャーしてる。
俺がプレイしようと思ったきっかけは去年Ghost of Tsushimaにどハマりし、アクション要素のある和風ゲーがやっぱり好きだと再認識したことから。ちなみにゴーストオブツシマはトロコン・本編4周以上・マルチも全神品コンプするぐらいにはやり込んだ、それぐらいの大作だった。スパイク・アクワイア作の「侍」「侍道」シリーズを思い起こさせる神ゲーだったね。
で、和風ゲーム・日本刀で闘うゲームをもっとやりたい欲が再燃して、「そういえば隻狼買ってたよな…」と思い出したので意を決してプレイ。
これがめちゃくちゃよく練られていて、確かに簡単じゃないんだけど理不尽ではない。なんならレトロゲーと比べたら難易度は低い(昔のゲームはグラフィック等で勝負しにくかったため、テキストやストーリーの面白さ、理不尽な難易度調整で個性を出すためだと思う)。
前置きが長くなったが、今回は極力ネタバレ無しで、隻狼がどんなゲームなのか、どういうところが面白いのか、逆に微妙な点や残念な点はあるのか等を一気に書いていく(全く予備知識がないと話が入って来ないと思われるので、簡単なあらすじとゲームシステム面の話はします。ご了承下さい)。忙しい方は目次から読みたいとこだけ読んでちょ!
隻狼〜SEKIRO SHADOWS DIE TWICE〜の簡単なあらすじ
俺解釈も交えてざっくり。
あらすじ
葦名一心の国取り戦の最中、大忍びである梟(フクロウ)は戦場漁りをしていた子どもを戯れに拾う。狼(オオカミ)と名付け、忍びの技の粋を叩き込んでいく。
ある日狼は梟から、「主は絶対」という忍びの掟と共に、自らが使えるべく主(御子)を紹介された。
それから20余年、葦名の国は斜陽にあり。また、梟と主を失ったからか狼は井戸底で廃人の様になっていた。しかし、謎の人物が井戸底に落とした一通の文により、守るべき主が生きていることを知る。
大体こんな感じ。フロム作品にしてはストーリーは(まだ)分かりやすい方だと思う。ただプレイヤーに委ねるような余白も多いので、説明過多なぐらいがちょうどいいって人は注意。
全体の雰囲気は?和風ゲー?
ストーリー関係のネタバレは特にしたくないのだが、雰囲気だけ言うと暗め。痛快な勧善懲悪系の話ではない。
かと言って胸糞悪い系でも無いかな?侘び寂びのある感じで嫌いではない。
あと和風ゲーかと言われると、和風ファンタジーと言った方がしっくりくる。西遊記の忍び(剣豪?)版みたいなイメージ。ここは純粋な和風ゲーをやりたい俺にはマイナスだったが、世界観の作り込みはハンパない。NPCやモブにも背景がある感じで、各アイテムのフレーバーテキストも読み応えがあり想像が膨らむ。この辺りはかなりプラスで、明言こそされずに終わる物が多いものの、プレイヤーにところどころ想像する余地を与えているのは上手いと思った。
また、俺が長らくプレイしなかった理由の一つが、人型以外の敵が出てくるという点。ネタバレに配慮して言うと、獣や怨霊の類も出るし、僅かだが虫もいる。
どっちも極端に苦手だから敬遠してたけど、怨霊系以外は慣れた。怨霊系の敵も攻略上必ず倒さなきゃいけない訳ではなく、強いアイテムが手に入る程度なので一応これらの敵は無視も可能。まぁ、頑張って倒したんだけどさ…。
グロさはややあるものの、個人的にはツシマの方がグロかったかも。
グロとホラーと虫が苦手な俺でもなんとかクリアできるぐらい。あとは、人型とのチャンバラがやりたい人に向けて話すと、正直序盤の壁を超えてからは純粋な人型ボスは一旦減る。俺もここを楽しめるか不安だったんだけど、怨霊や獣でも割とチャンバラに付き合ってくれるから楽しめた。剣豪シリーズや侍道シリーズのように、ずっと人型としか戦いたくない!って人には勧めにくいんだけど、序盤と終盤は神がかったバランスの人型ボスとチャンバラできる!
マルチシナリオ?マルチエンディング?
シナリオはほぼ一本道だけど、攻略順はある程度自由。2回ほど大きなターニングポイントがあって、そこをクリアすると行けるところが増えたり、新たな敵が配置されたり。
エンディングは数種類ある。
隻狼〜SEKIRO SHADOWS DIE TWICE〜のゲームシステム
ざっくり説明するが、購入を迷ってる人向けに長くなるところもあると思う。特に戦闘面。
ジャンルは?マップはオープンワールド?何していけば良いゲーム?
ジャンルはアクションアドベンチャー。メタルギアやゴーストオブツシマのようにステルスしながら、敵を倒しつつ様々なマップを渡り歩いていく。もちろん、ステルス無しで真正面から敵と闘うことも可能。
マップは箱庭型でオープンワールドではない…と言いたいところなんだけど、たぶん一筆書きで9割以上歩ける。ファストトラベル(ワープ)ができる鬼仏ってのがマップの至る所に存在するんだけど、鬼仏を使わなくてもほとんどのエリアに歩いていくことは可能。
まずは各地にある鬼仏を探し、見つけたら休息する。休息するとその鬼仏にはいつでも飛ぶことができるので、移動が楽になる。
個人的な意見だが、隻狼の1周目は鬼仏から鬼仏までの息継ぎゲーだと思ってる。後述する回復アイテムの瓢箪には使用回数の制限があって、鬼仏で休息すれば体力だけでなくこの瓢箪の使用可能数も回復するため。
スキルやレベルの概念は?死んだ時のペナルティはどんなもん?
レベルの概念は無い。無いけど敵を倒すとスキルポイントの経験値が貯まり、ゲージが一杯になると1ポイントとして保持できる。保持できるという言い方をしたのは、主人公が死亡すると貯めていたスキルポイントの経験値の半分を失うため。ちなみに、所持金も半分失う。鬼畜仕様である。
ただ救済措置はあって、お金は商店で銭袋(1割増し。100銭分の銭袋を110銭で買う感じ)に変換でき、銭袋は死亡してもロストしない。
またスキル経験値も、ゲージを貯め切ってスキルポイントにしてしまえばロストはしない。あくまで貯めている途中のスキルポイントゲージが半分減る。ここややこしくてスマン。例えば1.8ポイント分の経験値が貯まっていた時に死亡すると、端数の0.8ポイントの半分である0.4をロストし、1.4ポイント残る。
貯めたスキルポイントで各種スキルを習得することができ、常在効果(パッシブスキル)のあるものや、必殺技的なものも習得可能。まぁ、奥義や秘伝はそこまで強く無いから派手な技には期待するな…笑
また、本作の特徴は回生システムという、1回だけ死んでも生き返ることのできる能力。連続で回生することは出来ないが、回生後に敵を倒すと回生ゲージが貯まり、また死んだ時に再び生き返ることができる。雑魚敵の場合は一定数倒す必要があるが、ボス敵ならHPゲージを1本削り切れば、こちらの回生ゲージも回復することが多い。
回生ゲージも、鬼仏で休息すれば回復する。
忍道や天誅みたいな忍者要素たっぷりのゲーム?ゲームスピードは速い?
すまん、ぶっちゃけ忍びらしさはあまり感じない。
ステルスや忍具、忍術はあるのだが…如何せん忍術の種類が少なかったり、基本は刀でチャンバラするゲームだからかもしれん。ちょっとだけ身軽でサブウェポン(忍具)の使える剣豪って感じ。
あと鉤縄を使ってスパイダーマンのように飛びながら移動できるのは爽快なんだけど、主人公自身のジャンプ力が低めだから忍びらしさを感じないのかもしれない。
主人公の基本攻撃や、回避後の斬り返し、ダッシュ攻撃などのほとんどが遅いのも原因かもしれん。
特にダッシュ攻撃は一回転しての回転攻撃なため、スピード感重視のアクションゲームが好きな人にはストレスかも。ただ、それらを補って余りあるチャンバラのスピード感や、敵を倒した時の達成感は至上。
義手忍具
マップを探索していけば、義手忍具というサブウェポンも使えるようになる。
これは形代というMPのようなものを消費して使用する。1度に持てる形代は初期値が15で、スキル等で最大20まで上げられる。
対して忍具は、1回の使用で形代を1〜4ほど消費。形代は鬼仏で購入することができ、休息することで所持数も回復する(在庫があれば)。
なので使い放題では無いんだけど、結構有能な物が多い。ゴーストオブツシマの暗具のように雑に強いわけではないが、刺さる敵には刺さるという具合(オープンワールドのツシマとアクションアドベンチャーの隻狼を比べるのはナンセンスだと思ってるが、分かりやすく紹介したいから許してくれ)。
あと操作技術に自信が無い人への救済措置にもなっている。特に仕込み傘が防御面では雑に強い。個人的に推しなのは霧がらすという回避特化の忍具と、錆び丸という毒の小太刀。忍者らしく手裏剣もあるぞ!
その他の育成要素
技に関してはスキルポイントで習得できるが、奥義や秘伝といった必殺技は一つしかセット出来ない(一応オプションボタンでポーズメニューを開けば、戦闘中でも別の奥義に切り替えることはできる)。
主人公の体力や攻撃力が気になると思うんだけど、体力は数珠玉を集めることで強化できる。デビルメイクライのブルーオーブのような仕様で、数珠玉を4つ集めると身体力(HPと体幹)を1ポイント上昇させられる。身体力の初期値は10。体幹については後述する。
数珠玉はストーリーを進める上で必ず倒さなくてはいけない訳ではない中ボス(無視可能な中ボス)を倒すとゲットできる。それが7割以上で、残りは各マップに落ちている。
これが一番言いたかったんだけど、各地で中ボスを倒し、落ちている数珠玉を探していけばだいぶボス戦は楽になる。数珠を集めずに身体力が低いまま大ボスに挑めば、そりゃきつい。きちんとマップ探索と、中ボス撃破をしていけば身体力も自身のプレイヤースキルも上げられるから安心すべし!そして中ボスの8割くらいは無視もできるから、苦手な奴はスルーしてもおけ。
また攻撃力は攻め力という表記で表され、大ボスを倒すと手に入る戦いの記憶を使うことで強化可能。初期値は1。攻め力は大ボスを倒してやっと上げられる仕様なためか、1ポイントあたりの上昇率が半端なく高い。勝てないボスがいたら一旦後回しにして、他の大ボスを倒して攻め力を上げてから挑み直すのも一つのやり方。
この身体力と攻め力を鍛えることで主人公の狼は強くなっていく。周回で引き継ぐこともできるぞ!
ただよく言われることなんだけど、隻狼は主人公のステータスを上げること以上に、プレイヤーが上達する必要がある。基本ゴリ押しでは安定してボスに勝てない。ただしこれも誇張されすぎてる感が俺にはあって、各地を探索して身体力を上げてから大ボスに挑めば、だいぶ楽になる。
あとは、回復には主に瓢箪というアイテムを使うんだけど、初めは1回しか使えない。鬼仏で休息すれば使用数は復活する仕組み。こちらは瓢箪の種というアイテムを集めれば使用可能回数が上がっていく。
まず序盤から中盤は各エリアの鬼仏を開放し、同時に瓢箪の種と数珠玉を集めていくのが真っ当でその後やりやすくなる攻略手順。大ボスを突破すれば攻め力も上げられる。それでも厳しい場合は雑魚狩りをしてスキルポイントを貯め、スキルを習得するという手もある。
上にも書いたが、瓢箪の使用回数は鬼仏で休息すれば復活させられる。回生の回数も同じ。
隻狼はここが面白い!戦闘システムの紹介
隻狼の醍醐味である戦闘だが、雑魚敵はステルスして背後から近づき忍殺することができる。一部「これボスキャラだろ…」って雑魚もいるんだけど、どれだけ強い雑魚敵であろうと忍殺すれば一撃で倒せる。真っ向から戦うか、ステルスを駆使してマップを進んでいくかはプレイヤーが選ぶことができる。
ただし大ボスには忍殺ゲージというのが2〜3本あって、ステルスで忍殺しても1本しか削れない。残りの1〜2ゲージは正面から戦って自力で削る必要がある(忍殺ゲージ=HPゲージと考えてくれ)。また、敵の配置的にそもそもステルス忍殺出来ない奴もいる。ごめん、むしろその方が多い。
画期的な「弾き」と「体幹ゲージ」システム。
で、ここから隻狼特有で最高に面白いのが、体力(HP)以外に体幹ゲージというものがある。
体幹は自分にも敵にも存在し、攻撃を当てる・攻撃をガードさせる・敵の攻撃を弾く等で溜まっていく。
弾きとはジャストガードのことで、タイミングよくガードボタンを押すとカキン!という小気味いい音と共に、相手の体幹ゲージを少し削ることができる。また、弾きからの斬り返しも可能。
そうやって敵の攻撃は弾き、こちらの攻撃を当てることで敵の体幹ゲージをマックスまで溜め切れば、なんと残りHPに関係なく忍殺が可能。これで敵の忍殺ゲージ(体力ゲージ)を1本奪える。よくこんな斬新なシステム考えたな…。
自分の体幹ゲージが溜まってしまった場合は、体勢を崩し大きな隙を晒してしまう。ただこの時相手が大ボスであれば、専用のトドメモーション的な技を振ってくることが多いため、回避で仕切り直すことができる。むしろ、中ボスや雑魚敵の連続攻撃の最中に体幹を崩す方が危険だと俺は感じた。
ただし敵の体幹ゲージには面白い仕様があって、残り体力が多ければ多いほど体幹の回復も速くなるという点。
連続で攻撃を当て、敵の攻撃を弾いて体幹ゲージを溜めても、距離を離されたりするとどんどん体幹ゲージが自然回復してしまう。それを防ぐために、初めは体幹を気にせず体力(HP)を削り、ある程度体力が削られたら体幹を溜めるよう一気に攻め立てるのが大体のボス戦での流れ。
弾き以外にも有効な「見切り」「ジャンプ」「踏みつけ」「ステップ」
もちろん弾き(ジャストガード)だけではダメ。敵の突き攻撃は、ガードはできず弾きもこちらの体幹を溜められてしまう。そこで有効なのが見切りで、相手の突きに対して前にステップすることで発動する。HPにダメージを与えることはできないものの、敵の体幹を溜めつつ攻撃を回避することができるため、弾きと見切りを使い分けるのが隻狼の醍醐味となっている。
隻狼の戦闘が面白いのは、さらに下段攻撃も存在する点。なんと下段はガード不可能な上に、弾きも無効。下段に対してはジャンプで回避が推奨されていて、ジャンプ後にさらにジャンプボタンを入力で踏みつけもできる。踏みつけはダメージこそほとんど与えられないものの、見切りと同様に相手の体幹を溜められる。
下段をジャンプ回避後は踏みつけか空中攻撃をしても良いんだけど、多分初めは空中攻撃でHPを削った方が良い。相手のHPが6割から半分くらいになったら踏みつけに変えて体幹を溜め、最後は忍殺して倒す(HPが減ると体幹の回復が遅くなる仕様のため)。俺は後半、この踏みつけをあまりせずに、空中攻撃を選択し続けたから苦戦した。
で、また厄介なのが掴み攻撃も存在するところで、掴みはガードも弾きも見切りも通用しないし、ジャンプもその場だと吸い込まれる。ダイソンかよ。これは範囲外に避けるしかなくて、後ろにステップやジャンプするのが無難。
整理すると
一旦整理
突き攻撃→見切り
下段攻撃→ジャンプして踏みつけか空中攻撃
掴み→後ろにステップかジャンプ
となる。ただ、弾きはこちらの体幹もジリ貧になったりするので、敵の大技はステップで避けた方が良いこともままある。この辺はボスごとに試行錯誤していくことになる。ちなみに隻狼はステップがあまり強くない。無敵時間はそれなりにあるが、距離が短いのとステップ後の攻撃が遅いため反撃も取りにくくなってる。それでも弾くよりステップで敵の横や後ろに回り込んだ方が良い場面も多いので、この辺りはボスごとに自身で試してみてほしい。
色んなボスがいる。弱点も様々。
ここだけ聞くと難しそうなゲームに聞こえるかもしれないが、ぶっちゃけ敵の体力と体幹を意識しなくても勝てる。というか初めはそんな余裕ない。気づいたら体力か体幹のどちらかが削れていた、ということがほとんどだと思うから安心してくれよな!それよりも、敵の攻撃それぞれに対して、弾くか見切るかジャンプするかステップで逃げるかを決めておくことが大事。
ボスによっては体力は高いけど体幹が低い奴とか、体幹の回復は速いけど体力はそこまで高く無い奴など色んな奴がいる。また戦い方も、1・2回こちらが攻撃→敵に弾かれる→敵の攻撃をこちらが弾く…の繰り返しが基本だが、一部の敵は弾くよりも回避(攻撃の範囲外に逃げる。モンハンみたいな感じ)した方がいいなんてこともある。
ここも面白いところで、初見のボス敵相手にはどの戦法が有効なのか考えたり、実際に試して突破口を見出していくゲームになる。そのため初見一発クリアは確かに難しいが、攻略法を見出せば必ず倒せる作りになっている。
理不尽要素はほぼ感じなかった
モンハンをやってない人には伝わらないかもしれないが、高難易度のイベクエやギルクエをソロでやるのに近い。しかも、隻狼は敵の行動にほとんど理不尽さを感じなかった。体幹を崩した時は自分が悪いと分かるし、妙な起き攻めもほぼ無い。
また、敵ごとに有効な忍具やアイテムがあったりして、それを該当の敵近くにいるNPCが教えてくれたり、雑魚敵の会話を盗み聞きすれば分かるようになっているのも親切。
ヒントがそこら中に散りばめられているので、近年の親切設計なゲームに慣れている人でも安心。強いていえば、一部の数珠玉は結構探索しないと見つけられないかもしれないが、なくてもクリアはできる。
隻狼の個人的に面白かったところと難易度について
やはりこれはボスとの戦闘。探索も楽しかったし、敵の多いところをどうやってステルスキルするかを考えるのも面白かった。
そもそも侍道シリーズのようなチャンバラが楽しいゲームが最近めっきり減ったので、そこを埋めてくれたのが大きかった。特に隻狼は体幹ゲージのおかげで、上手くいけば強敵を素早く倒せたりもするし、敵の攻撃を弾いた時の音も気持ちが良い。クセになる。
また何故か発売から1年以上経ってから無料の大型アプデがあり、大ボスとの再戦が自由に出来るようになった!また、開発が用意した連戦も4コース追加。難易度は高いが、新たな技やスキンが手に入ったりとやりごたえがある。
周回要素があったり、ハードモードの仕様も面白く、ストーリーのボリュームは控えめだが2周目もやりたくなる作りになっている。ちなみにハードモードは2周目以降限定だが、敵の攻撃がガードを貫通してくる。雑魚敵の攻撃ですら。そのため完璧に弾き切るか、回避に専念する必要がありやりごたえはある。欲をいえば、ちょっと極端に難易度が上がるため、間の難易度も用意して欲しかったのが本音。
それでも戦闘システムはよく練られているし、チャンバラゲーの一つの完成系には違いない。体幹システムが秀逸すぎる。
気になる難易度だが、これも寄り道して主人公の体力やプレイヤー自身の技術を上げれば、ちゃんとクリアできる作りになっている。大ボスに勝てない場合は、他のエリアで中ボスを倒したり、落ちている数珠玉を探して体力を上げよう。回復回数を増やす瓢箪の種も同じく。
あと個人的な所感になるが、隻狼は雑魚戦がきつい。中ボス並の動きの雑魚複数人に囲まれると、正面から全て斬り伏せるのは難しい。理由は複数の敵が同時に攻撃をしてくるため、ガードがめくられたり、弾きが困難なため。
ナンセンスを承知でゴーストオブツシマを例にあげると、ツシマは暗具がバランスブレイカーすぎて複数戦もなんとかなる。ここはシステムの違いもあって、ツシマは近くの敵を自動的に簡易ロックオンし、そいつに対して斬りかかっている途中で他の敵が割り込んでくるのだが、ガードが間に合う。時代劇のチャンバラのように、敵が少しだけ待ってくれる。よく見ないと分からないかもしれないが、全く同じタイミングで複数の敵が斬りかかってくることはまずない。対して隻狼はお構いなしに敵が好き勝手暴れまくるため、雑魚戦は真っ向勝負するとかなり厳しい。
ただ一方でツシマの高難易度のボス戦は、はっきり言って隻狼よりきつい。理由は、隻狼は敵の予備動作が大袈裟に設定されていて、反射神経に自信がなくても弾き・見切り・ジャンプ・回避の選択をする時間がある。ツシマの方は、難易度を上げると敵の予備動作がほぼ無くなり、剣戟のスピード感も隻狼より速いため、判断が追いつかずやられる。
まとめると、雑魚戦は隻狼の方が難しく、ボス戦は隻狼の方が簡単。もちろんこれはツシマ側の難易度をどれにしているかにも寄るし、異論はあると思う。ただ少なくとも反射神経が鈍い俺にとっては、隻狼の方がやりやすく理不尽さも感じなかった。
自分で試行錯誤したり、弾きや見切りを使いこなせるようになると途端に楽しくなる。それが隻狼。
まるで対人戦をやっているかのような緊張感があるし、意外と忍具や奥義で幅広い立ち回りもできる。
隻狼の残念だった点
これはもう満場一致でロックオンの仕様でしょう。それプラス、ダッシュが○ボタンなのも俺は違和感があった。
ダッシュから説明すると、○ボタン長押しでダッシュができるんだが、カメラの移動は右スティック。俺の右手親指は一本しかないから、走りながら視点移動できないのは結構ストレスだった。キーコンで替えれるんだけど、ダッシュとステップが同じボタンにしか設定できないのがネック。L・Rでステップを踏むのに違和感があったため、結局俺はデフォルトのキーコンで今もプレイしてる。
問題のロックオンだけど、敵が頭上高くに行ってしまったり、素早く後ろを取られたりすると勝手にロックが外れる。
で、ロックオンし直そうとして右スティックを押すんだけど、ロックオンとカメラリセットが同じボタンにしか設定できないため、ロックし直したいのに正面を向いてしまうことが多発。
なので敵へのロックが外れたら→一旦右スティックを左右に動かして敵を画面中心に捉える→その後右スティック押し込み、としなければならない。これが隻狼で俺が一番ストレスに感じたところかな。敵の目眩しとか特殊攻撃でロックが外れるのは良い。むしろリアルだし。ただ、ロックオンし直しが手間で、スピーディにやりにくいのが問題。せめてデビルメイクライやその他多くのアクションゲームのように、ロックオンとカメラリセットは別のボタンにして欲しかった。同じものにしか設定できないのが問題点かな。
あとカメラ関係で言うと、探索中に真上を見たくてもあまりカメラが上を向いてくれない(笑)結構高低差のあるマップが多いので、真上を向けないのはちょっとだけストレスというか、酔いやすい俺には厳しかった。
あと、散々弾きや見切りのチュートリアルをした後に戦うであろう中ボスに、弾きや見切りが全く機能しない。これはさすがに順番おかしいだろと思った(笑)じゃあどうするの?って話なんだけど、そいつらはモンハンを思い出してヒットアンドアウェイが有効。決して弾いてはダメだ。そういうボスは数で言えばごく一部なんだけど、最序盤に寄ってるのが勿体ないと感じた。こいつらをモンハン戦法で突破した後から楽しくなるのに、一部の人はここでプレイするのを止めちゃったんじゃないかな…。ネタバレに配慮して言うと……最序盤の赤い目の奴と走る獣には注意してくれ…。
それでもオススメしたい、良質なチャンバラアクションゲーム隻狼
とまぁ、ネックもごちゃごちゃ語ってきたんだけど、それらを補って余りあるほどに戦闘システムがよく練られていて、爽快感も達成感もある。
モンハンの極限状態・ギルクエ140・お願い傷つけのような理不尽・運が絡む要素は少ないし、攻略のヒントはNPCやアイテムのテキスト欄に散りばめられている。
死にゲー死にゲーと騒がれているけど、ぶっちゃけ今のゲームが簡単すぎるから隻狼が難しく見えるだけ。(例)死亡ロストのないFEとか、どの機体も満遍なく強いスパロボとか。
ただこれは「隻狼クリアできる俺カッケー」したい訳でも、モンハンやFEやスパロボを乏したい訳じゃない。なんならどれも俺は大好きだ。
そうじゃなくて、反射神経が鈍く、DMC5のダンテマストダイがクリアできない俺でも、隻狼はチャンバラを楽しみながら(カメラ以外は)ストレスなくプレイできた神ゲーだった。ただそれだけを言いたかった。
もちろんDMCと隻狼のどっちが難しいかなんて人によるし、アクションゲームが得意でない人からしたら隻狼は充分難しい。ただし、運や理不尽な要素が少なく、攻略のヒントもまた多い。アクションゲームが好きな人、ボス戦が好きな人、日本刀でチャンバラするのが好きだった人、これらの人には食わず嫌いをすることなく、是非遊んで欲しい名作だった。
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