こんにちは、おかっちです。
今回はゲームレビュー記事となります。
取り上げるのは、2/20に発売した「侍道外伝 KATANAKAMI」(以下、刀神と略します)です!
執筆の動機は「過去作の侍道シリーズ待望の続編だけど、外伝って…。なんか風来のシレンっぽいし、どういうゲームなのか分からない。それについて言及している記事もほとんど見当たらない…」と私自身が感じたからです。
侍道シリーズ最新作!なのですが、前情報を見る限り従来の侍道とはだいぶ違った感じに見える…
価格も3800円+税と、近年のゲームにしては安すぎることもあり、一抹の不安が…
ですので本記事は、刀神ってどうなの?面白い?という方だけでなく
従来の侍道シリーズは好きだけど、今回の刀神は同じようなゲームなの?買って大丈夫?
という方に向けて、参考になればと思い書いていきます。
迷いに迷って私はSwitch版を購入しました。
そもそも侍道シリーズとは?
侍道は1から4まで発売されており、基本的に何でもありの侍アクションゲームです。
マルチエンディングを採用しており、主人公の侍の行動によって結末が分岐します。
侍道シリーズの魅力を端的にまとめるとしたら
自由度の高さ、侍による剣戟アクション、やり込み要素の多さ、寂寥感のある雰囲気やBGM
が挙げられると思います。
あとは、結構なバカゲー(褒め言葉)で、3以降からは土下座が可能になったり、4では夜這いができたりもします(笑)
街の人をいきなり斬りつける「辻斬りプレイ」が出来たり、敵対する2つの組織それぞれに良い顔をしてダブルスパイのように立ち回ったり…笑
基本的に何でもありで、真エンド?のようなハッピーエンドもあれば、バッドエンドもありますし、ひたすら人を斬りまくって修羅の道に堕ちることも出来ました。笑
また、物語冒頭でいきなり主要人物を斬り伏せ、その刀を奪うことも可能。
もちろん斬られた人物は死んでしまい、その周のストーリーでは二度と登場しません。
こういった自由度の高さが、侍道シリーズの1番の魅力ではないでしょうか。
また、どこか寂寥感のある雰囲気も魅力的で、BGMも切ないものからカッコいいものまで揃っており、街を歩いているだけでも楽しめます。
良くも悪くも「雰囲気ゲー」と言われることも多いですね。
一方でグラフィックはあまり綺麗とは言えず、またバカゲー要素が多いのでそう言ったものが嫌いな方は合わないと思います。
あとこれは侍道に限らずですが、自由度もそれなりに高いので、何をして良いか分からないのは嫌!という方も微妙かも。
私は1作目の「侍」にどっぷりハマり、2作目の「侍道2」を一番やり込みました。
PS4ではプレイ出来ないのが残念過ぎてなりません…
(残念過ぎて、昨年はPSvita版の侍道2決闘版を購入したぐらいです 笑)
では、今回の「刀神」はどうなのか。
侍道「外伝」と銘打ってるぐらいなので、今までとはだいぶゲーム性が変わってないか心配でした。
侍道外伝 KATANAKAMIのシステム
刀神では、主人公の侍が刀鍛冶の堂島に協力し、昼は刀鍛冶を、夜はダンジョン探索をメインに行っていきます。
目的は堂島(シリーズ恒例のあの堂島です 笑)の娘が借金のカタとして連れ去られてしまったので、それを取り戻すことです。
時代が「侍」と同じらしく、初代に出てきた宿場町・黒生家・赤玉党の3勢力も登場します。
もちろん、ドナドナやチェルシーなんかの懐かしい主要キャラも!
主人公や堂島は刀鍛冶を営んでいるので、それら3勢力それぞれに刀を送って生計を立てます。
夜はダンジョンで刀や道具を集めて持って帰り、朝から夕方にかけては刀を製作したり、3つの勢力に売ったり(厳密には刀をくれと依頼が来る)、自分自身の刀を鍛えたりして過ごします。
特に個人的に特徴的だなと感じたのは
カメラが俯瞰視点で固定されており、動かすことは出来ない点。
どんどん下に降りていくダンジョンを探索し、刀や道具を集められるだけ集めて帰還を目指す点。
ですね。
特に後者は「風来のシレン」や「不思議のダンジョンシリーズ」を思わせる作りで、ここが一番の懸念点でした…!
シレンもチョコボなどの不思議なダンジョンシリーズも何作かプレイしているのですが、私には難しく感じたのと、「そもそも俺は侍道をやりたいんだ!」と思っていたからです。笑
その辺りについても含め、次の見出しで侍道シリーズと異なる点を見ていきましょう。
侍道シリーズと侍道外伝 KATANA KAMIの異なる点・違い
繰り返しになりますが、これまでの侍道シリーズと大きく違うと感じたのはカメラが「俯瞰視点で固定」されていることです。
ダンジョンを探索する上では俯瞰視点でも良いのですが、戦闘中の「臨場感」のようなものは薄れてしまいました。。
他には、街を散策するのではなくダンジョンを探索するという点や、敵は人間だけでなく「妖怪」も存在する点が挙げられます。
また、まだプレイして2日なので定かではありませんが、恐らく「マルチエンディングではない」です。
厳密には、自身の振る舞いによって色々な勢力と友好的・敵対的になったりはできるのですが、本筋の大きなストーリーにそこまで影響は無さそう。
そう感じた理由は、モブ以外の主要人物を斬り伏せても死なないからです。
いやどう見ても死んでるやろ…って感じに血を出して倒れるのですが、「負傷」扱いみたいですね。
※ただしもちろん、主要人物を斬り伏せるとその勢力から嫌われ、色々な弊害が出てくるのは過去作と同じですのでご安心?を。
また、何度も何度もダンジョンを探索するやり込みゲームには違いないのですが、
侍道シリーズのように
ストーリーをスタート!→何らかの結末を迎える→ストーリーの始めから強くてニューゲーム!という流れではありません。
刀神の方は
あくまで大きなストーリーの中で、何度も何度もダンジョンを探索し、借金を返済し、刀を鍛えていくゲームです。
また、不思議のダンジョンシリーズのように主人公自身のレベルである「段位」は、ダンジョンを出るとリセットされます。
ただ、鍛えた刀のステータスや、刀のレベルである刀級、覚えた技などについてはきちんと引き継ぎます。
ですので、こちらについては侍道シリーズとの大きな違いとも言い切れません。
侍道の方も、ストーリーを1週すると本人のステータスはリセットされますので。
それと、違いでもあり魅力でもあるのがランダム生成されるダンジョンの存在です。
こちらは風来のシレンシリーズのように、モンスターハウスのような部屋が出てきたりもします。
ただし、ターン制バトルではなくきちんとアクションですのでそこは安心して良いかと。
ランダム生成されるダンジョンのせいでターン制バトルなのか…と購入前は躊躇しましたが、しっかりアクションで闘えます。
また独自のアクションとして抜符や抜無、刀刻というものがあり、特に刀刻は発動すると少しの間だけ三国無双のように無双することができます。
ここは爽快感もあり、個人的には気に入ってるポイントですね。
侍道シリーズと刀神の共通点は?
先述の通り、鍛えた刀はそのまま使い続けることが可能です。
また、侍道特有のおバカなノリは健在で、ちょくちょく笑わされる場面が多いです。笑
あとは、ダンジョン探索中に力尽きてしまうと、持っている刀・道具・お金の全てが没収されます!
侍道シリーズも死亡してしまうと手持ちの刀や道具は失ってしまうので、ここも共通点と言えるでしょう。
そして、刀箪笥や押し入れにしまっておいた刀や道具は、死亡してしまっても失いません。
この辺りの親切設計は過去作と共通点しています。
また、肝心のアクション部分ですが…
意外と侍道しています!笑
初期刀を振ってみたのですが、モーションがまんま過去作の「中庸刀」と同じで感動しました!
ただ、カメラアングルは俯瞰視点ですのでそこは注意。
他には、ドロップする刀のステータスはランダムな点や、堂島に刀を鍛えてもらった際のステータスの上がり幅がランダムな点も共通点です。
ですので、良い刀をひたすら探して厳選強化!をしていた過去作ファンの方なら、のめり込めると思います。
シリーズファンが刀神をプレイしてみて良かった点、微妙だと感じた点
良かった点をまず箇条書きで挙げると
- 雰囲気はしっかりと侍道!特にBGMは神掛かっている
- 崩しなどは無くなったものの、剣戟アクションは従来の侍道に近い
- 新アクションの極見(きわみ)と刀刻(かたなたいむ)は爽快感抜群!
- バカゲー感もしっかり健在
- 良い刀を探すのが楽しい
- 刀の強化も面白く、過去作よりもパラメータの種類が増えている
- ダンジョン内で死亡すると全ての持ち物をロストしてしまうが、救済アイテムが存在する点(ほけんアイテムなど)
- 価格が安い(笑)
- ダンジョン内で他プレイヤーと遭遇するか否かを選べる。また、他プレイヤーを模したNPCのみ登場に限定することもできる
などが挙げられます。
極見は過去作で言う崩しなどに近く、タイミングよくガードか回避をすることで、強力なカウンター技を撃つことが可能です。
極見で相手を倒すことが出来れば、次の敵に連続して極見を行うこともでき、かなり爽快感があります!
良い刀を探すのも楽しく、それを強化していくのも現状かなり楽しい!
良くも悪くも作業ゲーなんですが、私は作業ゲー大好きなのでしばらくハマりそうです。
あとは毎日新聞が読めるんですが、その文章も侍道らしいギャグや小話満載で思わずクスりとしてしまいます。
お使い要素として「依頼」なるものがあるのですが、これは過去作よりも刀神の仕様の方が好みです。
理由は、強要されるわけではなく達成できたら少し良いことあるよ!という温度感なのと、
ダンジョンの探索中に並行してこなすことができるからです。
それと細かい点ですが、3から追加された土下座が嫌いだったんですよね。笑
スベッてる感満載で。
その土下座が、今回は効果的に機能しているため好印象。
最大の要素としてオンラインマルチプレイですが、こちらは協力したり、裏切ったりができます(笑)
最も嬉しかったのが、この他プレイヤーを登場させるかどうかのオンオフも可能なのですが、
他プレイヤーを模したNPC(装備は他人の装備だけど、中身はコンピューター)に限定することもできる点です!
PvPが苦手な人でも、中身がコンピューターならイヤらしい攻め方もしてきませんし、わりかし簡単に倒すことが可能です。
その上、相手の刀や装飾品を奪えるのがオイシイ。
もちろん腕に自信のある方は、他人が操作しているプレイヤーキャラと対戦することもできますよ!
次に、微妙だと感じた点は
- カメラが俯瞰視点で固定のため、闘いの臨場感はかなり薄れてしまった
- 主要人物を斬り伏せても死亡せず、後日復活する(暫くは負傷扱いになるものの)
- バグなのか仕様なのか分からない点が多い
- UI周りは絶望的に劣悪。特にアイテムをいちいちボタン連打で拾ったり、一括選択ができる場面とできない場面がある
- 人間相手に侍アクションをしたいが、敵に妖怪が多い(これは新鮮でもある)
- ボタンが反応しない時がある(モンハンワールドのように、先行入力が恐らく不可)
- システムや攻略中の小話は面白いが、メインストーリーにはあまり期待してはいけない
- 抜刀が遅いため、敵と遭遇した際に先手を取られがち(一応抜刀ボタン連打で素早く抜刀も可能です)
- 協力プレイができるのに、フレンドとのマッチング機能が現状実装されていない
以上でしょうか。
特にカメラの件ですが、人型とのボス戦だけでも良いからもっとカメラを近づけて欲しかった…!
アクション自体は侍道していますし、爽快感のある新要素もあります。ただ、見栄えは過去作に劣る、って感じですかね。
妖怪を相手にするのは意外と楽しいです(笑)
昔ながらの侍道のモーションで、この先どこまでこいつら妖怪と闘っていけるかは楽しみですね。
一番悪目立ちするのは、UI周りでしょうか。
ハクスラというよりはローグライクに近いと私は思うのですが、いずれにせよアイテムの自動取得が無いのは痛いです。
せめてお金だけでも自動取得できるよう、アプデを期待ですかね。
あとはアイテムの整理も結構大変で、一括選択できない場面もあるのがやや辛い。
それと、これはかなり個人的な感想なんですが
侍道といえばやっぱり、何度も何度も立場を変えてメインストーリーを楽しむ!のが醍醐味の一つだと思うんですよね。
例えば「うわー!あいつの持ってる刀かっこいい!でもメインキャラだし斬ったらいなくなっちゃうんだよな…。大事な仲間だし…」とか考えながら、結局は斬り伏せて刀を奪う(笑)
で、次の周回では反省してそのキャラと仲良く協力し、敵対組織と闘う!
こんな繰り返しが好きだったんですよ。
それが刀神だと、恐らく大きな話の軸が存在し、主要人物は斬っても死なない。
なので立ち振る舞いにおける緊張感みたいなものはだいぶ薄れてしまいました。
まぁ、外伝なのでスピンオフと思って楽しめば良いんですけど。
細かいバグか仕様か分からない点の最たるものを一つ挙げると
ダンジョン内で、主人公が突然叫びながら血を吹き出して倒れることです(笑)
いや逆に侍道らしいとも言えるのですが、罠にかかったような素振りも無いしさすがにバグなのかなーと…笑
あとは意図してフレンドと協力プレイすることができない点が残念ですね。
この辺りは後日アプデで解消されるのかなーとは思いますが…。
総評:この価格帯なら買ってもよし!作業ゲー好きにはたまらない
ネガティヴな点も率直に述べてきましたが、個人的には「良ゲー」じゃないかなと思います。
発売前は不安しかなく、正直買うかどうかも発売日まで悩みました(そのため初回特典は入手できず…)
しかし、実際プレイしてみると予想以上にのめり込んでいます!
とにかく刀を集めて強化するのが楽しいのと、初代「侍」に登場したキャラクター達も出てくるので、「懐かしいなー」と感じながら楽しくプレイできています。
あとは何よりもアクションが進化している!
いや確かに極見の判定がシビアだったり、抜刀が遅いとか不満もあるんですが…
それを補って余りあるくらい新アクションが楽しいです。笑
特にお気に入りは刀刻で、一定時間無双モードになるのが楽しくて楽しくて。
発動条件も良い塩梅のため、ヌルゲーになっているということもありません。
そんなこんなで何気なくプレイしていたら、気付くと3時間経っていた…なんてことも。
良い意味で沼にハマってますね(笑)
何度も言いますが、BGMも素晴らしい!
過去作と同じ?曲もあれば、刀刻発動の際には和風でアップテンポな曲が流れたりと、侍道シリーズの魅力をしっかり引き継いでいます。
ただし!何度もダンジョンを探索することになるので、作業ゲーが嫌いな方にはおすすめしません。
とはいえ「お使い感」はほとんど感じませんけどね…表現するのが難しいですが
ダンジョン探索→鍛冶屋経営→ダンジョン探索…の繰り返しがダルそうだなという方は微妙かと。
ただそもそも過去の侍道シリーズも作業ゲーには違いないので、侍道ファンなら一考の余地あり!です。
極めつけはなにより価格が安い!
今日日4000円ですよ?笑
これが8000円だったら微妙だなと感じるんですが、6000円くらいまでなら私は即買いします(笑)
7000円あたりからちょっと迷うかな〜…ぐらいの絶妙な感じ!
色々と気になる点はあるものの、侍道が好きな人、過去作はやったことないけどローグライク系や収集ゲーが好きな方にはおすすめです!
粗はあるけど何故か憎めない、そんな「坪八みたいなゲーム」が侍道外伝 KATANAKAMI〜刀神〜です。
本記事が迷っている方の一助になれば幸いです。
Switch版とPS4版があるのでご注意を。
2020年2月23日時点の情報ですが、Amazonのパッケージ版ですとまだ初回特典もついてくるようです!
※YouTubeの方で本作含めゲーム実況もしていますので、良ければ遊びに来て下さると嬉しいです。
おかっちGames
https://m.youtube.com/channel/UCGjLRTCqHHQZ0XNpWi5sa7Q
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