こんにちは、おかっちです。
今回の記事では「誰かに何かを教える上で、必ず心がけておくべき2つのこと」についてお話しようと思います。
「お前は何者なんだよ?」
という声が聞こえてきそうなので、簡単に僕の経歴を(そういえばまだプロフィールページをしっかり書けていない…)
僕は早稲田大学で文学を学び、その後は個別指導塾にて3年間、国語 / 小論文 / 英語 / 数学及び算数、などを子供たちに教えて来ました。
その後転職し、某大手通信系の会社にて研修講師という大役を任され、こちらも3年が経とうとしています。
少し話は逸れますが、僕は塾の頃に出会った『7つの習慣』という本に大きく影響を受けました。
その塾が『7つの習慣』を生徒たちだけではなく、先生たちにも教えている(研修の一貫で学びます)という側面もありますが、
何より本の内容の普遍性・正当性・誠実さに心を打たれました。
ですので、僕の今の指導法、育成方針にも、そのエッセンスが溶け込んでいることかと思います。
これからお話していく指導法は、子供を相手にする先生・教師の方はもちろん
会社で育成担当・研修講師などを務めている方にも役立つ内容だと自信を持って言えます。
そもそも、多くの人が「何かを教える」という経験がありますよね?
部下や後輩に指導をするのも、立派な「教育」です。
なので、あらゆる「誰かに何かを教える・伝える」場面で有効な技術についてお話しますので、是非一読して頂きたいと思います。
前置きが長くなりましたが
『7つの習慣』や、その元となったと言われる「アドラー心理学」を土台とし、6年弱の講師経験の中でブラッシュアップした指導法・育成方針について数記事に渡りお話していきます。
今回はその第0部、心構えの部分です。先生側のマインドセットですね。
技術を教えてくれるんじゃなかったの?
はい、早速その疑問が浮かびますよね。
スキルを学ぶことはもちろん重要です。
しかし近頃は多くの方がスキルばかりを追い求めて、そのスキルを扱うはずの「人」の部分の研鑽を怠っているように感じます。
例えばですが、会社で言うと
遅刻ばかりするルーズな先輩がいるとします。
その先輩から「今日の19時までにこのタスク終わらせるように」と言われて
貴方は素直に言うことを聞けますか?
もちろん、「仕事だから」という理由で素直にタスクに取り組む真面目な方もいらっしゃると思います。
しかし、僕なんかは反骨心が強いので
あのルーズな先輩に言われても、やる気が失せちゃうな…
なんて考えてしまいます(笑)
つまり教わる側(生徒でも部下でも後輩でも良いです)は、
人として尊敬できない人から何かを言われたり教わったとしても、全く持って響かないものなんですよね。
もっと言うと、やる気が下がる、説得力に欠ける、前向きに取り組めず生産性が下がる、など
負の感情を与えてしまいます。
では、そうならないためのポイントとは?
端的に言うと、教える側の人が「背中で語れる人間になること」です。
なんだ、当たり前じゃん。
と思う方は大丈夫です。今すぐ次の見出しに進んで下さい。
しかし、少しでもドキっとした方は、
まず自分自身が何かを教えられる人間なのか
と、振り返りをして欲しいと思います。
では、背中で語ることの中身について、もう少し具体的に考えていきましょう。
背中を見せれば、教えられる側の気持ちも前向きに
例えば次の2人の上司、どちらの上司についていきたいと思いますか?
上司A…家庭円満。部下への接し方も優しいが、最近太ってきた。だが、痩せたいとは言うものの具体的な行動は起こしていない。
上司B…上司Aと比べるとやや厳しい指導をするが、デスクワークで鈍った身体をなんとかしたいと思い、終業後に週3回2時間のマラソンに取り組んでいる。
もちろん答えは別れるかと思いますが、多くの部下は上司Bについていきます。
なぜか
上司Aは家庭でも会社でも優しくこちらに害は無いが、そもそも自分に甘いため何かを言われても説得力が無い。
上司Bは厳しさがあるためこちらも緊張感を持つが、自分の時間を使って自身の課題に取り組んでいるため説得力がある。
からです。
上司AとB、2人から同じ課題を落とし込みされた部下は
上司Bから落とされた部下の方が一生懸命前向きにタスクに取り組むのではないでしょうか。
もう一つ例を挙げると、先程とも似ていますが
遅刻グセのある先生から、来週の月曜までに宿題をやるよう指導された生徒を想像して下さい。
「何で時間を守れない人と、期限までに宿題をやるよう約束させられるんだろう…」
と考えてしまうのが普通です。
また、ネガティヴな例ばかりを挙げてしまいましたがそれとは別で
あの先生はこんなに頑張っている人だから、信頼できる!
あの上司は誰よりも仕事が速く、話し方も論理的だ。だから、そんな人から仕事を任されると嬉しい!
といったように、「頑張っている姿」を見せる人からは、素直に前向きに言葉を受け止めることができるのです。
これは何も、完璧な人間になれ!と言っている訳ではありません。
そんなことを言い出したら、僕なんか欠点だらけで… (苦笑
そうではなくて、
「あの人は一生懸命な人だ!」
「あの人は言ったことは必ず実行する人だ」
「あの人は他人に厳しいだけじゃなく、自分にも厳しい人なんだな」
とか、そんなことで良いんです。
これらの例も難しいと感じるなら、
「あの人はオーラも覇気も無いし、特別明るい人でもない。でも任された仕事には真面目に、誠実に取り組むし、仕事は遅くない」
という感じでも良いんです。
覇気が無くとも、真面目さや誠実さはその人の立派な「姿勢」です。
努力している人間に対して、わざわざ反発する人はかなりの少数派です。
(ネット上では、努力している人の「足をひっぱりたがる」人はいくら存在しますが…笑)
それゆえに
何かしら自分にできることで良いから一生懸命に努力して、日々人格を磨いている人というのは、教えることが上手な傾向にあります。
スキルのある無しでもちろん差は生まれますが、
裏を返すとスキルがまだ乏しくとも、
頑張っている人の言葉は、受け手側に響きやすい
ということです。
最後に、名前はお出ししませんが、SNS上で知った僕が密かに憧れるブロガーさんについて。
「スキルについてはあまり発信しないけれど、朝早くに起きて作業を始め、圧倒的作業量で成果を上げている方」がいらっしゃいます。
僕はその方の直向きにブログを更新し続ける姿憧れますし、その背中に影響を受け
「俺ももっとブログを書こう!」
という気持ちにさせてくれます。
そう思わせられる人は
言葉で何かを教える前から、立派な指導者(に成れる人)だと僕は思います。
傾聴 まずは相手のことを知る
心構えの話を長々としてしまったので、もう1つは心構えでもありスキルでもある事柄について。
例えば、貴方の友人の中に、自分の話ばかりする人っていませんか?
自分や他の友人が何かを話していても、遮ってまで自分の話をしたがる人です。
そこまで極端な人は少ないにしても、たまにいますよね。
そういう人に対して「この人は私の話をよく聞いてくれるし、私のことを凄く理解してくれている!」とはもちろん思いませんよね?
ここに大切なヒントがあるのですが
誰かに何かを教える・伝えようとする前に
まずはその「相手のことを深く知る」ことが大切になってきます。
今度は僕の体験談になりますが
僕は会社で研修講師を任されているため、
後輩や研修生に、営業成績の上げ方全般について教える立場にあります。
ただ、一方的にこちらが営業ノウハウを教えたとしても、凄く主体的で意識も能力も高い特別な研修生にしか、僕の話は届かないと思っています。
痛い経験ですが、おどおどしていてあまり営業向きではないように見える後輩に、業務上のミスについて叱ったことがあります。
彼は終始「はい…はい。申し訳ございませんでした」と言うばかりで、
僕の方も「あぁ、全然伝わってないな…」と感じたことがあります。
そこで、これまでの経験を踏まえて、休み時間やランチタイムに、彼の好きなことについて聞いてみることにしました。
よくよく考えたら、僕はその後輩についてまだ何も知らない。
だから、彼が何故ミスをしたのかも本当のところよく分かっていないし、どういう特性がある人なのかも理解していない。
このままではダメだと思いました。
そこでまずは業務的に叱ってしまったことを反省し、彼の話を傾聴しよう!と考えたんですね。
色々聞いていくと、彼はゲームが好きらしい。
特に今はあるスマホゲームにハマっているとのこと。
僕もゲームは大好きなので、早速ダウンロードして、帰りの電車の中などで暇を見つけてはプレイしてみました。
そうする中で、「あぁ、彼はこういうキャラクターが好きなんだ」とか、「彼はこのゲームのどういう部分が好きなんだろう?今度聞いてみよう」とか
その後輩が普段触れているものを自分も感じることで、なんとなく彼の「人となり」が分かり初めてきました。
そこから2ヶ月程の時間を要しましたが、そのスマホゲームをきっかけに後輩とコミュニケーションを取る時間も増え、彼の方も僕の営業ノウハウを適切に受け取り、実践してくれました。
結果、なんと営業成績は4倍以上に!
社外秘なのでエビデンスをお見せできないのが残念でなりませんが、コミュニケーションが円滑になるだけでなく、教えられる側に受け取る準備・聴く態勢が出来るのは間違いありません。
同じゲームをやったくらいで、何言ってんの?という声も聞こえてきそうですが
何か教えることでつまずいている方は、是非騙されたと思って試して欲しいです。
今の例の様な些細なことでも構いませんし、
相手の私生活についてや悩み、好きなことを知ることで、相手も「この人は僕のことを理解してくれる」とか「この人は僕に興味を持ってくれているんだな」などと思ってくれれば、こちらの話を聞く姿勢が自然と相手の中に出来上がります。
こんな言い方をすると、なんだか腹黒く聞こえたかもしれません。
実はここに最大の注意点があって、
傾聴とは、「傾聴しよう!」と意識した時点で、それはもう傾聴ではない。
のです。
いやいや矛盾してるでしょ。と思うのも無理はありません。
ただ、それくらい相手のことを本当の意味で理解しようとすることは難しい、ということを知ってもらいたかったんです。
「傾聴しようと意識した時点で傾聴ではない」
という言葉を念頭に置きつつ、
「でも、相手のことをちゃんと理解した上で仕事(や勉強など)を教えてあげたいな」
という気持ちを大事にすれば良いだけです。
傾聴はスキルであると共に、心構えでもあります。
大変言語化するのに苦戦してしまいましたが…
とにかく相手のことを理解することなしに、何かを伝えるのは難しい
ということだけ理解して頂ければ、必ず貴方の指導や教育にプラスの効果を生み出すはずです。
第0部はマインドセット
本記事は、人に何かを教える立場にある人、誰かに何かを伝えたい人のための、マインドセットについての内容となります。
マインドセットなんて言葉を使うと笑われてしまいそうですが
芯がしっかりしていない人の言葉は響かないのも、またれっきとした事実です。
最後にまとめとなりますが
誰かに何かを伝える際は
まず自分自身が背中で語れる人間でいられるよう、日々努力をする。
その上で、伝えたい相手のことを理解しようと努める。
この2点に留意すれば、間違いなく今よりも教えるのが上手になるはずです。
そして何より、そういった生き方は他でもない「貴方自身のためになる」ということも、最後にお伝えしたいと思います。
部下や生徒が言うことを聞かない、教えるのが苦手という方に、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
長文、お読み頂きありがとうございました。
次回の記事も、よろしくお願い致します!
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